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CD不況でも売れる「インドカレー屋のBGM」 空耳歌詞「帰社でヘイ」

「インドカレー屋のBGM スペシャルデラックス」のジャケット=ビクターエンタテインメント提供

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 インドカレー屋で流れる音楽を集めたコンピレーションCD「インドカレー屋のBGM」が累計3万5000枚を売り上げるヒットを続けている。2005年に1作目をリリースし、11月に8作目を発売。販売はCDのみで1枚も廃盤になっていない。16年以降にリリースした3作は、一緒に歌えるようにと「空耳日本語歌詞」までつく。企画したビクターエンタテインメント・ストラテジック制作部の川口法博さん(51)は、「“バカ企画”でインドと日本の懸け橋になりたい」と意気込む。【中嶋真希】

 ビクターエンタテインメントのすぐ裏にあるインドカレー屋「TSUBAKI GARDEN」。「ここは、ビクター社員の“社食”なんですよ」と川口さん。「グリーンカレーがおすすめ。後からじわっとくる辛さがおいしい」と顔をほころばせる。

おいしそうにインドカレーを食べる川口法博さん=中嶋真希撮影

 高校生のころからインドカレーが好きだったという川口さん。店内でかかる音楽がインド映画音楽と知り、「インドカレー屋のBGM」を発売したのが05年。2年間で5作を販売し、2万5000枚を売り上げるヒットシリーズになった。

 「日本人は『ムトゥ踊るマハラジャ』や『バーフバリ』など破天荒なインド映画が好き。盆踊りが好きな国民性にインド映画音楽がマッチしたのでは」と分析する。

 「加えて、何の商品がすぐわかるタイトルも良かった。小林製薬の『のどぬ~る』とか『トイレその後に』みたいでしょ。『ボリウッドヒット』だったら誰も買わなかったでしょうね」

 16年、マツコ・デラックスさんの番組で取り上げられると、再びヒット。9月に6作目をリリースし、東京の代々木公園で開催されるインドフェス「ナマステ・インディア」に出店。2日間で300枚売れた。

インドフェス「ナマステ・インディア」に出店すると、2日間で300枚売れた=川口さん提供

 「『こんなCDが欲しかった』と言ってくれた。家でインドカレー屋気分を味わいたくて買っている人が多いのでは」。

 TSUBAKI GARDENのマネジャー、サキヤ・ジャナクラージさんは、席をのぞきにきて「新作が出たの? うちの店でもたまにかけるよ」と笑顔だった。

 最近のインド映画音楽は、クラブミュージックの「EDM」や英語の歌詞などが取り入れられており、「インドっぽくない」曲が増えている。

 「新作に収録されているのは、ここ3年ほどの曲。EDM調の曲はどうもインドっぽさが感じられず、入れませんでした」と川口さん。「いずれEDMの曲だけ集めて作ってもいいのかも」と新たなアイデアも浮かんでいた。

命令や 帰社でヘイ!

 ♪命令や 帰社でヘイ! 命令や 帰社でヘイ!

 ♪利根麻里 エントリー嫌で 出る目マジ カントリーやれ

 最近の3作で取り組んでいるのが、全曲の「空耳日本語歌詞」だ。「日本語に聞こえる歌詞がある」と気づいた川口さんが、まずは元々の歌詞をアルファベットに起こし、すべて日本語風にしている。

一度アルファベットで入力してから空耳歌詞を作る。写真は川口法博さんが作ったエクセルより

 今回の作品も、「会社でやると怪しまれるので」と、週末に自宅にこもって空耳歌詞を完成させた。1曲目の「命令や 帰社でヘイ!」は、会社員の哀愁を感じさせるフレーズ。「空耳でも意味が通じるから面白い」と川口さんは言う。

 インド映画の音楽で、よく出てくるフレーズがあるという。「『ピャール』と、『サプナ』。サプナが出てくると空耳はいつも『3分な』にしていますね」と川口さん。

 本当はどんな意味なのか? TSUBAKI GARDENのマネジャー、サキヤ・ジャナクラージさんに聞いてみると……。「ピャールは愛、サプナは夢です」。サキヤさんはネパール出身だが、幼いころからインド映画に親しんできた。「ネパールでも人気。テレビでもやってみるから、映画でヒンディー語を覚えてしまう」という。

 「愛と夢か。なるほど」と長年の謎が解けた川口さん。意味がわかってしまうと空耳歌詞が書けなくなるのではと聞かれ、「そうですね。これからも本当の意味は調べずに、先入観なく空耳の歌詞を作っていきたい」と決意を新たにしていた。

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