かんぽ生命暴走許した「裸の王様」経営陣 退陣まで長時間空費したぬるま湯政治

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金融庁から行政処分を受けて記者会見する日本郵政の長門正貢社長(左)。右はかんぽ生命の植平光彦社長=東京都千代田区で2019年12月27日午後6時55分、手塚耕一郎撮影
金融庁から行政処分を受けて記者会見する日本郵政の長門正貢社長(左)。右はかんぽ生命の植平光彦社長=東京都千代田区で2019年12月27日午後6時55分、手塚耕一郎撮影

 かんぽ生命保険の不正販売問題は、金融庁による初の業務停止命令と、長門正貢・日本郵政社長ら日本郵政グループの3トップの引責辞任に発展した。「官業」として150年近くにわたって信頼を寄せられてきた郵政事業が、なぜ暴走したのか。背景を探る。

不正を報道されても郵政側「大したことはありません」

 「まるで詐欺師だ」。9月からかんぽ生命などへ立ち入り検査をしてきた金融庁の幹部は、思わず絶句した。検査内容は、手当目的や営業ノルマへのプレッシャーから、郵便局員が高齢者に不利益な契約を繰り返し結ばせ、上司らもそれを黙認していたことを克明に示していた。「高齢者の信頼を逆手に取った背信行為。営業を止め抜本的に改善する必要がある」。業務停止をちゅうちょする声は、庁内にはなかった。

 金融庁と郵政側がこの問題で最初に接触したのは昨年4月、NHKが「クローズアップ現代+」で局員や被害者の声をまじえて不正を報じた直後だ。金融庁の問い合わせに郵政側は「大したことはありません」と、おざなりな対応に終始した。相次ぐ報道を受け、かんぽ生命と日本郵便がようやく不正を認め謝罪したのは今年7月上旬。問題発覚から1年3カ月を空費していた。

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