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社説

郵政新3社長に元官僚 これで出直しできるのか

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 かんぽ生命保険の不正問題をめぐり、日本郵政グループの3トップが引責辞任を決めた。金融庁と総務省から経営責任の明確化を迫られた。

 日本郵政の新社長には旧建設省出身で元総務相の増田寛也氏が就く。かんぽと日本郵便の社長には旧郵政省出身の役員2氏が昇格する。

 日本郵政グループの歴代トップには、民営化推進の観点から主に民間出身者が起用されてきた。だが、辞任する現トップ3氏は社員約40万人の巨大組織を統率し切れなかった。

 不正の重大さへの認識も甘く、顧客が不利益を被り、法令・内規違反が疑われるかんぽ契約は過去5年間で1万3000件近くに膨らんだ。新体制はまず顧客の不利益の解消を急ぐ必要がある。

 新3社長が元官僚ばかりになったのは、火中の栗を拾う民間経済人がいなかったからだ。ただ、かつての郵政公社に逆戻りしたような布陣で、顧客本位の経営を徹底できるか、不安は拭えない。

 増田氏が新トップに起用された背景には、2013年から3年間、政府の郵政民営化委員会委員長を務めた経歴が買われた面もある。

 「郵政事業に精通している」との理由だ。しかし、増田委員長時代を含めて同委員会による日本郵政の経営監視は不十分で、かんぽ不正の責任の一端がある。増田氏はその反省も踏まえてガバナンス(企業統治)の抜本的な改善を進めるべきだ。

 行政処分をめぐっては、監督官庁である総務省の前事務次官が、日本郵政に天下った先輩の鈴木康雄上級副社長に処分案を漏らした不祥事が発覚している。

 情報を引き出した鈴木副社長は今回、辞任する。だが、日本郵政グループには民営化に伴い総務省から転身した旧郵政省出身の元キャリア官僚も多く、古巣とのなれ合い体質が容易には根絶できない懸念がある。

 かんぽと日本郵便の新社長となる2氏には、民営化後も根強く残る官僚体質を断ち切る厳しい覚悟が求められる。

 金融庁は新規のかんぽ保険販売の3カ月停止を命令した。ノルマ廃止の影響も重なり、業績が落ち込むのは必至だ。新体制はビジネス経験が乏しい弱点を自覚しつつ、収益立て直しにも取り組まねばならない。

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