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社説

カジノ汚職と誘致活動 まずは立ち止まるべきだ

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 カジノ事業参入を巡る汚職事件を受け、カジノ整備の是非について議論が再燃している。

 秋元司衆院議員は、事業参入を図る中国企業側からの収賄容疑で逮捕された。2017年9月の衆院解散当日、議員会館の事務所で現金300万円を受け取った疑いがある。

 当時、秋元議員は、カジノを含む統合型リゾート(IR)担当の副内閣相兼副国土交通相だった。IR実施法の制定に携わっている。贈賄側から何らかの働きかけがあったとすれば、法の正当性が揺らぐ。

 にもかかわらず、菅義偉官房長官は「早期に整備効果が実現できるよう、必要な準備は進めたい」と繰り返した。カジノは訪日客増や地方の活性化につながると主張して、スケジュールは変えない方針を示した。

 しかし、元副大臣が逮捕されるという重大性に照らせば、こうした姿勢は理解しがたい。事態の深刻さを認識していないのではないか。

 政府は来月、カジノ事業者を審査して免許を与えるカジノ管理委員会を設置する。整備の基本方針も来月中に決定し、21年1月から自治体の誘致申請を受け付ける予定だ。

 参入外国企業絡みの汚職事件に発展した以上、いったん立ち止まるべきだろう。東京地検特捜部の捜査結果も踏まえて、カジノ整備の問題点を検証するのが先決である。

 カジノ事業者を実際に選定するのは、誘致を目指す自治体となる。大阪府・市は他に先駆けて、事業者の募集要項を発表した。

 参入を狙う外国企業は、住民にPRするなど攻勢をかけている。自治体は事業者との面会の際、複数の職員で対応して記録を残したり、会食を禁止したりしている。

 それでも癒着の芽は残る。大阪では、府と市がアドバイスを依頼したコンサルティング会社の社員が、事業者側から接待を受けていた。

 多くの自治体は住民の理解が不十分なまま動いている。横浜市の市民説明会では、財政上の理由からカジノの必要性が強調される半面、計画には具体性がなく、参加者から不満の声が出ていた。

 そもそもカジノは、治安悪化やギャンブル依存症などが懸念され、反対論は根強い。カジノが地域にとって本当に必要なのか再考すべきだ。

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