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長官鳥瞰

「鳥瞰(ちょうかん)」とは空を飛ぶ鳥のように全体を大きく眺め渡すという意味です。1988年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎの金メダリストであり、海外留学経験も豊富な鈴木長官が、幅広い視野で2020年東京五輪・パラリンピックに向けたスポーツ界を展望します。

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長官鳥瞰

大会支えた地方の力=鈴木大地

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 ハンドボール女子の世界選手権が11月30日から12月15日の16日間、熊本県で開催された。ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の成功は誰もが認めるところだが、ハンドボールの観客も目標に掲げた30万人を超え、31万5748人に達したという。関係者の努力に敬意を表したい。

 開催が決まったのは2013年10月。東京五輪・パラリンピックの招致が成功した1カ月後だ。熊本はラグビーW杯の会場にもなっており、準備は大変だったと思う。さらに16年4月、熊本は最大震度7の大地震に見舞われた。一時は開催を危ぶむ声もあったという。だが「何としても開催にこぎ着けたい」との強い思いが人々を動かした。

 ハンドボールのメイン会場「パークドーム熊本」は、ラグビーW杯会場だった「えがお健康スタジアム」に隣接する。地震で最も大きな被害を受けた益城町に近く、地震の爪痕が残っていた。私は現地を訪れ、東日本大震災で被災した岩手県釜石市を思い出した。釜石も震災からの復興を進め、ラグビーW杯開催を成し遂げた。両大会は単なるスポーツの国際大会ではなく、復興への歩みを進めるマイルストーン(一里塚)として現地の方々の…

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