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余録

「掉尾の一振」とは…

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 「掉尾(とうび)の一振(いっしん)」とは株式相場の格言だ。掉尾は最後に勢いが盛んになること、つまり年末は株価が上がるという意味である。捕まった魚が尾を盛んに振る様子が由来ともいう。これが結構当たってきたらしい▲典型はちょうど30年前、平成最初の年の取引を締めくくった大納会(だいのうかい)だ。日経平均株価は今も史上最高値となっている3万8915円に急騰した。バブルのピークだ。当時を知る証券マンは「異様な高揚感が広がり、どこまで上がるか見当もつかなかった」と振り返る▲きょうは令和最初の大納会がある。今年も年末に株価が上昇し、今月は一時2万4000円台と28年ぶりの高値に迫る水準をつけた。今回の代替わりの年もひとまず尾を振って終わりを迎えそうだ▲とはいえ多くの人にはぴんとこないだろう。政府は「アベノミクス効果」を強調するが、給料はなかなか上がらない。消費増税後の景気はマイナス成長に陥ったとの見方が大勢だ。先の証券マンも「実感なき株高ですね」と苦笑する▲では何が株価を押し上げたのか。どうも各国の中央銀行による金融緩和で世界にあふれたマネーのようだ。アベノミクスの柱の異次元緩和に伴うお金も株式市場に流入した。景気の実態にそぐわぬ「官製カネ余り相場」である▲掉尾の一振には裏がある。年末の成績を良く見せたいファンドの「お化粧買い」だ。だが実態とかけ離れた相場は長続きしない。バブルははじけ、平成の日本は苦しんだ。まさか令和で繰り返すつもりではあるまい。

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