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TOKYOスイッチ

第1部 理念/1 SDGsの理念はどこへ 使い捨てられた21万枚、五輪建設木材の出所を訪ねた

伐採した木材を運ぶトラック=マレーシア・サラワク州のアナップ・ムプト森林管理区近くで、金子淳撮影

 東京五輪・パラリンピックの会場となる国立競技場(東京都新宿区)や有明アリーナ(江東区)などの競技場は、スギやカラマツなどの日本の木材がふんだんに使われ、木のぬくもりが表現された。だが、新設された九つの競技場では、31万枚を超えるコンクリート型枠合板に使い捨ての木材が使われた。その3分の2以上はインドネシアとマレーシアの熱帯材だ。中には、森林を切り尽くして出た「転換材」も含まれていた。これらの木材はどんな森から来たのだろうか。2019年12月、雨期の熱帯へ木材の出所を訪ねる旅に出た。【金子淳】

 起伏の激しい森の小道を抜けていく。丘を越えると、一気に視界が広がった。運河沿いの森が切り開かれ、むき出しの地面に木材が積み上げられている。30度を超える日差しの中、土ぼこりのにおいが鼻をつく。

 かつては、マングローブの森だった。絶え間なく鳥のさえずりが響き、木々の隙間(すきま)からときおりサルが顔を出す。根をかき分けてカニを探すのが楽しみだった――。近くの村に住むサムスル・バハリーさん(35)は木材の山を見つめながら、つぶやいた。「森が死にかけているようだ」

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