能を楽しもう(3の前編)日本人の財産「高砂」若い人は謡って 山井綱雄さんに聞く
毎日新聞
2020/1/1 01:00(最終更新 1/1 01:00)
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お正月は、やっぱりおめでたい芸能を初めに見たい。元日朝のテレビでは、能楽では別格の曲「翁(おきな)」が放送されるので、録画してでもぜひ見ていただきたい。さらに、能楽でおめでたい曲といえば「高砂」がある。「高砂や この浦舟に 帆を上げて」で始まり、かつては「結婚披露宴で謡うおじさん」が必ずいたので、「ああ、あれか」という方もいるだろう。落語の「高砂や」でご存じの方もいるかもしれない。学校などでの能楽公演で、この「高砂」を歌ってもらおう、覚えてもらおうと奔走している、金春流(こんぱるりゅう)能楽師の山井綱雄さんに「高砂」についてうかがった。
年末の国立能楽堂、女子高校生を前にした能楽公演をのぞかせてもらうと、生徒たちが紙を見ながら、大きな声で「高砂」を謡っていた。学校で練習をしてきたのだろう。実に見事なものだ。山井さんは、指導の前に、生徒に向けて「日本人とはなにか、自分で考えて感じてください」と話していた。
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