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元「SDN48」アイドルが58歳のおじさんとルームシェア…SNSで話題 著者が書きたかった「アラサー女子」の悩みと再生

大木亜希子さんの2冊目の著書「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」=祥伝社提供

 今から約1年前、元「SDN48」のアイドルが、縁もゆかりもない「おじさん」と同居している体験を書いたネット記事が話題となった。その筆者の大木亜希子さん(30)が記事に加筆し、2019年11月に「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(祥伝社)を刊行した。「キラキラ女子になる」「ハイスペ男子(収入や社会的地位が高い男性)と結婚する」と焦燥感に駆られた結果、地下鉄の駅で一歩も動けなくなってしまった女性が、58歳のおじさん「ササポン」との恋愛とも友情とも違う交流を通じて再生していく物語だ。さて大木さん、ササポンとの生活は今、どうなっていますか。【大村健一/統合デジタル取材センター】

 ――ササポンと同居するまでの経緯を教えてください

 ◆12年にSDN48が解散した後、ネットメディアの編集者になりました。20代後半に差し掛かり、周囲も結婚したり、子育てをしたりするようになってくる時期です。

 私は恋人の候補者を増やすために男性と毎晩のように食事に行くことを自分に課してました。「ノルマ飯」って自分で呼んでましたね(笑い)。当時を振り返ってみると、とにかく「仕事も恋愛もキラキラしていなくちゃ」と必死でした。

 そんな生活をしていた18年春、通勤中に地下鉄(東京メトロ)の茅場町駅に向かう途中、一歩も動けなくなってしまったんです。比喩ではなく、本当に靴の裏が地面にへばりついたように前に進めなくなりました。

 それで、会社に休む連絡をして、友人にどこの病院に行けばいいのか聞きました。内科なのか外科なのかも分からなくて聞いたのですが、返ってきた答えは「精神科」。友だちも私の様子がおかしいことに気づいていたのでしょう。

 私は14歳でデビューして、女優活動をしたり、アイドルグループに所属したり、ずっと競争の多い環境で育ってきました。だから、「自分は大丈夫」「自分は強い」って思っていました。

 通院して、自分の状況を説明したとき、クリニックのお医者さんに「とりあえずゆっくりしゃべってください。まず治しましょう、その早口を」と言われたときは惨めでしたね。「負けた」「人生詰んだ」と思いました。

 ――その状況で、どうやってササポンと知り合えたのでしょうか。

 ◆しばらくは有休を使って休んでいたのですが、結局、仕事に戻れなくなってしまって。会社を辞めてフリーライターになりました。そんな状況でも、東京都内の月5万円のワンルームに住んで、心療内科に通いながら「私は大丈夫だ。仕事も恋愛も頑張るんだ」と焦る気持ちから、男性との食事やデートにも積極的に行っていましたね。

 体重もアイドル時代より20キロ増えて、貯金も10万円を切って、そのままでは実家に帰らないと生活できなくなってしまいました。でも、私はもう少し、東京で頑張りたかった。

 それで8歳上の姉に相談したところ「私が20代の時に私とルームシェアをしていたおじさんの家でルームシェアさせてもらったら」と紹介してくれたのが、ササポンだったんです。

 ――いきなり見ず知らずのおじさんと住むことに抵抗はなかったですか。

 ◆不安がなかったかといえばうそになりますが、そのころにはもう難しいことを考えるのがおっくうになっていたこともあって、決断しました。他に選択肢もなかったし、ライターの視点で「面白いことになった」というのも少しありました。

 敷金も礼金もいらなくて、家賃や光熱費なども込みで1人暮らしのときの3分の2ぐらいの生活費で過ごせるという点も大きかったです。ライターの仕事はまだなかったけど、アルバイトすれば何とかなると思いました。

 世の中には、見知らぬ男性と出会い、事件に巻き込まれるケースもあるので、「周りの人には心配されるかもな」とは思いましたが、信頼している姉からの紹介でしたし。

 ――ササポンはどんな人なのでしょうか。

 ◆見た目は俳優の小日向文世さん。中肉中背、なで肩です。そんな感じのおじさんを思い浮かべてもらえれば、だいたい当たっていると思います(笑い)。会社員で独身。淡々としゃべる人で「クック」って笑うときはかわいいです。妖精のような人ですね。

 ――同居するとなると、気を使うことも多いのでは。

 ◆ササポンの一軒家は縦長…

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