メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

HOTプロ野球

米国選手が「足の親指からボールが出てくる」と騒いだ 70年前の元祖サブマリン

南海から西鉄に移籍した後の武末投手

[PR]

 来夏の東京五輪で金メダルを目指す野球の日本代表「侍ジャパン」の投手陣で活躍が期待されるのが、下手投げの高橋礼投手(24)だ。今年の国際大会「プレミア12」では、外国の打者を翻弄(ほんろう)し、優勝に貢献した。下手投げは、外国選手にとって珍しく、タイミングを合わされにくいとされるが、実は「元祖サブマリン」の南海(現ソフトバンク)の武末悉昌(しっしょう)投手(故人)も約70年前、米国打線をきりきり舞いさせていた。南海時代の同僚で、近鉄の監督や球団代表も務めた岡本伊三美氏(88)に、武末投手について聞いた。【中村有花】

 武末投手は1922年生まれ。旧制筑紫中(現福岡県立筑紫丘高)から大連高商に進学。48年の第19回都市対抗野球で西日本鉄道のエースとして5試合を一人で投げ抜き、優勝に導いた。49年、南海に入団。この年の10月、戦後初めて米大リーグのマイナーチーム、サンフランシスコ・シールズ(当時の新聞の表記はシールス)が来日し、親善試合が行われた。武末投手は西軍の先発としてマウンドに上がり、6回1失点と好投。翌日の新聞では「得意の下手投げでシールスを苦しめ凡打で打ち取ることに成功した。大リーグのワール(投手)と投げ合って遜色のない投球ぶりであった」と報じられ、相手監督は「これまでの日本投手の中でよいと思ったのは武末と中尾(碩志)であろう」とコメントした。

 西宮球場でのシールズ戦をスタンドで見ていた岡本氏は武末投手と対戦した米国の選手たちの反応をよく覚えていた。「米国の選手は『右足の親指のところからボールが出てくる』と言いよったんですよ。あそこまで下から放る人は米国にはいなかったんじゃないですか。だからそういう表現していたわ」

武末投手について語る岡本伊三美氏=大阪市内で2019年12月6日午後5時22分、中村有花撮影

 当時、プロ野球でも下手投げは珍しかったという。岡本氏は武末投手と同じ年に京都市立第一工業学校から南海に入団。内野手だったが、当時は捕手が少なく、ブルペンで武末投手が投球練習をする時、球を受けることもあった。「高橋礼君より、もっと下から投げる。右手も膝も土を擦るぐらい。ぐーっと球が浮いてくるんですよ。外国人は打たれへんやろなと思っていたよ」と岡本氏。

 東京五輪の日本代表「侍ジャパン」のメンバーは、まだ決まっていない。だが、下手から140キロ超の直球を投げる高橋礼投手は今や欠かせない存在となっている。岡本氏は「(身長188センチで)大きいだけに(投球の際に)ぐーっと体が沈んでくるからね。(打者の)目線が大きく変わる」と武末投手同様、外国選手が攻略するのは簡単ではないと強調。新時代のサブマリンが東京五輪でどのような投球を披露するか――。岡本氏も楽しみにしている。【中村有花】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 唐田えりかさんがドラマ出演自粛 東出昌大さんとの不倫報道で「反省」

  2. デマがSNSで拡散「武漢から関空入りの新型肺炎患者が逃走」 モザイク入り微博画像から

  3. 相模原殺傷 植松被告の変貌ぶりに衝撃受ける友人らの証言紹介

  4. 「結婚しなくていい」ヤジ問題で自民・杉田水脈氏、無言貫く 携帯を耳にあて立ち去る

  5. 新型肺炎「中国の感染者は推計5502人」 北大チーム、数百人は過小評価と分析

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです