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余録

ロシア遠征の失敗で失脚したナポレオンが…

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 ロシア遠征の失敗で失脚したナポレオンが追放先のエルバ島を脱出したのは1815年だった。有名なのは島を抜け出し、パリに帰還して皇帝に復位するまでの新聞による彼の呼び名の変わり方である▲脱出時には「食人鬼」、本土上陸時は「コルシカの鬼」、パリに近づくにつれ「怪物」「暴君」「簒奪者(さんだつしゃ)」と変わっていき、パリ到着直前には「ナポレオン」「皇帝」に。そして最後は「皇帝陛下はチュイルリー宮にご帰還」であった▲百日天下の後の流刑先セントヘレナ島ではさすがのカリスマも厳重な監視下で人生最後の日々を送ることになった。では、こちらの落ちたカリスマの日本脱出は今後、世界のメディアにどんな色合いで報道されることになるのだろう▲年の変わり目の世界を仰(ぎょう)天(てん)させたゴーン被告の逃亡だった。レバノン入国が伝えられるが、所在はなお不明、日本脱出の手口にはスパイ映画もどきの臆測(おくそく)や情報が飛び交う。当然ながら保釈は取り消され、保釈金15億円は没収となる▲踏みつけにされた当局は違法出国の解明に向け強制捜査に入った。だが当人は日本の司法を批判して欧米メディア相手に自己正当化を図る構えらしい。日本の司法もこの手のやからにつけ込まれぬ制度とその運用が求められる今日だ▲レバノンでは富裕層が被告受け入れを歓迎する一方、そこに体制の腐敗をみる市民の反発も大きいという。格差による社会の分断を映し出し、世界のメディアの論調もまだ定まらぬカリスマ被告の法網(ほうもう)破りである。

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