メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

直木賞作家・井上荒野さんの「荒野」は本名である…

[PR]

 直木賞作家・井上荒野(あれの)さんの「荒野」は本名である。父親で作家の井上光晴がつけた。井上さんのエッセーによれば、父親が友人に頼まれ、その息子のために考えた。しかし友人の家族に大反対され、自分の娘の名前に使ったという▲「父はそのとき33歳。若い。名付け親ははじめての経験だったろう。きっとものすごくはりきったのだろう。はりきりすぎだし、考えすぎだ……」。命名は凝れば凝るほど難しい▲こちらの名前はどうだったか。新元号の令和である。平成から改元され、初めての新年を迎えた。届いた年賀状にも記されている。人々の間で、大分なじんだのかもしれない▲脚本家の向田邦子さんもドラマの登場人物の名前に苦労した。例えば作曲家の小林亜星さん主演の「寺内貫太郎一家」だ。東京・谷中の石材店が舞台で、寺が近いから姓は寺内に。昔かたぎで太っている大男のイメージだから、古い重さの単位の「貫」を使って名前は貫太郎にしたという▲「役のイメージに合っていて、呼びやすく、しかも字画のあまり多くないものを選ぶのである」。まるで元号選びのようではないか。令和もこれにほぼ当てはまりそうだ。問題は「役のイメージ」、つまり時代の雰囲気に合っているかだろう▲井上さんは「荒野」について「長年かけて折り合ってきたこともあり、今は気に入っている」と書いている。作家としての自分を確立できたからでもあろう。令和の役柄も、時代を生きる人々が作り上げていくものに違いない。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 映画『鬼滅の刃』興収300億円に向けファン団結「煉獄さんを300億の男に」 『コナン』に似た運動

  2. 行方不明者捜索中に「逃走」の警察犬クレバ 兵庫県警捜査員が無事保護

  3. #排除する政治~学術会議問題を考える 「だんまり決め込むなら、学術会議はなくなったらいい」木村幹教授の痛烈投稿 その真意は

  4. 史上最大級の「ペヤング超超超超超超大盛やきそばペタマックス」発売へ 通常の約7.3倍 まるか食品

  5. 漫画で解説 JAL再上場の巻

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです