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「廃棄」資料、一転公開 文書名特定、再請求に 原子力規制委、消極さ露呈

毎日新聞の2度目の情報公開請求を受け、原子力規制庁の規制企画課係長が関係者に送ったメール(画像の一部を加工しています)

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 原子力規制委員会が重要方針を決めた非公開の事前会議を巡る問題で、会議の配布資料を毎日新聞が情報公開請求したところ、規制委は「廃棄済みで不開示」とした。ところが、資料の表題を明示して再請求すると一転開示した。規制委は再請求にも「不開示」にする方向で手続きを進めたが、職員の一人が当時のメールに添付されていたと申告したという。規制委は陳謝し「事務処理上の不手際」と釈明する。情報公開に消極的な姿勢が浮かんだ。

 規制委が開示したのは、関西電力3原発(高浜、大飯、美浜)に求める火山灰対策を議論するため、更田(ふけた)豊志委員長や石渡明委員、安井正也・原子力規制庁長官(当時)と担当者ら計11人が出席した2018年12月6日の非公開会議で配布された資料。右上に「議論用メモ」と印字され、①文書指導で関電に設置変更許可申請を求める案②関電に火山灰想定の再評価をさせる案――の2案が併記されていた。

 更田委員長らは配布資料を基に①の案を退ける議論をしたのに、議事録を作成しなかった。規制庁は翌週12日の委員会(公開会議)で②の「再評価命令案」だけを提示、規制委はこれを決定した。

 毎日新聞は事前会議の配布資料とされる文書を関係者から入手し、真偽の確認などのため、18年12月26日に再評価命令案の「作成過程が分かる全文書」を請求。規制委は、ホームページで誰もが閲覧可能な資料などを開示したが、問題の資料は「既に廃棄された」と不開示にした。ところが、表題を明示して19年5月24日に再請求したところ、開示した。

 規制庁広報室によると、資料を作成した規制企画課係長は、メールに添付し関係者16人に送信。印刷もして非公開会議で配布した。会議終了後、係長は資料を回収・廃棄するとともに、電子ファイルと送信メールを消去していた。

 最初の情報公開請求には地震・津波審査部門の係長が対応し、関係者計7人に文書の有無を口頭で問い合わせたが、「持っていない」と回答したため「不存在」と判断した。

 再請求には、資料を作成した係長が対応。「これまで調査したところでは、対象文書は確認されていないが、文書を保有していないことを念のため確認する」とのメールを会議出席者を含む約25人に送った。法規部門の職員が規制企画課係長からのメールに添付されていたと申告し、資料の現存が判明したという。

 広報室は「調査が不十分だったため、本来開示すべき文書が発見に至らず、不開示とした。改善に努める」としている。

 規制委は配布資料について「結論を出さないブレーンストーミングで使われた資料」と説明し廃棄を正当化するが、有識者は「実質的に意思決定に影響を与えた文書なので保存すべきものだった」と批判している。【日野行介、田中龍士、向畑泰司】

原子力規制委員会の非公開会議の配布資料が一転開示されるまで

2018年

12月6日 更田豊志委員長らが出席した非公開会議で、2案を比較する配布資料を基に「再評価命令案」を選択する方針を決定

  12日 公開会議で再評価命令案のみを提示、議決

  26日 毎日新聞が規制委に再評価命令案の「作成過程が分かる文書すべて」を情報公開請求

 19年

1月24日 規制委が「既に廃棄されており保有していない」と不開示決定

5月24日 毎日新聞が資料の表題を明示し、再度情報公開請求

6月21日 規制庁規制企画課係長が職員ら24人に「保有していないことを念のため確認する」とメール

 同日 法規部門職員が資料の現存を申告

  25日 規制委が一転開示

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