人は全体の情報の8割を視覚から得ているとされる。それを失った状態で、サッカーという激しいスポーツができるのだろうか。一方で、全く違う楽しさがあるのかも……。
そんな不安と期待を抱えながら、石川県立盲学校(金沢市小立野)で2019年12月に開かれたブラインドサッカー(BS)の体験会に加わった。
BSでは目の見えるゴールキーパーを除くフィールドプレーヤー4人がアイマスクをつける。体験会の練習でもアイマスクをつけて歩くことから始まる。拍手や声で誘導する参加者が立つ約10メートル先が目標地点だ。見える状態ならすぐそばだが、「全盲」になるとその数倍にも感じる。「右です、右」。誘導役から飛ぶ言葉に、自分から見て右? どれくらい右? と頭はフル回転。数十秒をかけて歩き切った時には、胸をなでおろした。
次は約2メートル先のコーンにボールを蹴って当てる練習だ。転がると「シャンシャン」と音の鳴る専用のボールを足元に置いてもらう。足の裏でボールを感じられるものの、蹴る瞬間は推測に頼るしかない。案の定、ボールはコーンの右約50センチのところを力なく転がっていった。
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