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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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今週の本棚・この3冊

オリンピック 渡邊十絲子・選

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 <1>人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか(川島浩平著/中公新書/924円)

 <2>ドーピングの哲学 タブー視からの脱却(ジャン=ノエル・ミサ、パスカル・ヌーヴェル編、橋本一径訳/新曜社/4730円)

 <3>TOKYOオリンピックはじめて物語(野地秩嘉著/小学館ジュニア文庫/770円)

 オリンピックの自国開催ともなれば、期間中の報道は「ニッポンがんばれ」「ニッポンよくやった」一色になるだろう。でも、勝ち負けに一喜一憂するだけの見方にはすぐに飽きる。選手や関係者の苦労話を感動ポルノとして消費するのも下品である。批評眼をきたえあげて観戦専門のアスリートになりたい。

 競泳種目を見て「黒人はいないのか」と思ったことはないだろうか。また、マラソンや100メートル走を見て「やっぱり黒人には勝てない」と思ったことは? <1>は人種差別の歴史を語りつつ、「黒人特有の身体能力」という神話を問題にする。「先天的に優れた肉体をもつ黒人にはかなわない」という考え方は、「日本人は体格面で劣る」という常套(じょうとう)句と表裏一体のもの。この常套句はどの競技においても横行してきた…

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