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佐藤優・評 『東ドイツ史 1945-1990』=ウルリヒ・メーラート著、伊豆田俊輔・訳

 (白水社・3080円)

社会主義の「肯定的遺産」再評価を

 本書を読むと現下ドイツの構造問題が1990年のドイツ再統一(平和革命)に起因することがよくわかる。<東側では、自分たちが政治的には重要ではなく、ある種の請願者に似た役割に甘んじる「二級の」ドイツ市民だという感覚が広まった。東では信託公社が経済的な転換プロセスの象徴になった。ここでは西の企業家が東ドイツ経済の民営化から利益を収め、この反面で市民がその費用を支払わねばいけなかった。東側への市場経済の導入によって西側地域においては、社会福祉的な要素を含む経済の形〔西ドイツの社会的市場経済〕が時代遅れに見えるような風潮が現れた。/平和革命から二○年がたち、ドイツ人は、度重ねて誓ってきた精神的な統一を依然として達成していない>。旧東ドイツ地域では「ドイツのための選択」のような右翼政党が台頭しているが、その原因は東ドイツが「悔い改めたナチス党員」の政治参加を認めていたことにあるという構図が本書から浮かび上がってくる。<ソ連は一九四八年六月にドイツ国民民主党[以下、NDPD]とドイツ民主農民党[以下、DBD]の設立許可を出した。両政党の設立はSEDの主導で行われて、党指導部のドイツ人共産主義者たちは体制に順応した政策を行った。NDPDはかつての軍の将校やナチ党員並びにブルジョア・グループに向けられた政党になった。この政党には、全ド…

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