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児童手当拡充で貧困率低減を=松本伊智朗・北大教育学研究院教授

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 子どもの貧困対策推進法と、指標やその改善のための施策を定めた子供の貧困対策大綱が、昨年改正された。いくつかの前進がある。

 法の目的に子どもの権利が入り、子どもの「将来」に加え「現在」が明記された。貧困状態の子どもに限らず、すべての子どもが対象になった。すなわち「いま」生きる存在として子どもを捉え、「将来の貧困の防止」のみならず、子どもの権利の観点からすべての子どもの「いまを守る」ことの重要性が確認された。こうした理念は実際の施策を評価し、今後のあり方を構想する鍵になる。

 都道府県に加えて、市町村も子どもの貧困対策の計画策定が努力義務とされた。ひとつの危惧は、調査と計画策定がコンサルティング会社に丸投げされ、金太郎あめのような報告書が各地で量産される事態だ。本来、自治体職員と住民が調査を通して、まちづくりの観点から共に考え、学ぶことに意味がある。知恵と経験が自治体に蓄積してこそ、地域を基盤にする方向が生きる。自治体の主体性が問われる。これを支える国の予算措置が不可…

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