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社説

イランの米基地攻撃 報復の連鎖、断ち切らねば

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 米国とイランが軍事攻撃の応酬を繰り広げている。一刻も早く報復の連鎖を断ち切らなければならない。

 米軍などが駐留するイラクの軍事施設2カ所をイランがミサイル攻撃した。十数発を発射したという。

 米軍のイラン司令官殺害への報復と発表した。米軍が反撃すれば「激しい報復」をもたらすとし、米国の同盟国にも警告を発した。

 イランは国連憲章に認められた自衛権の行使として正当化するが、軍事行動による応酬で中東の緊張がより高まったのは事実だ。

 報復合戦が続けば、米国とイランによる大規模な衝突につながるとの懸念が生じる。

 イランのザリフ外相は「事態悪化や戦争を求めてはいない」と言う。エスパー米国防長官も「イランとの緊張緩和を追求する」と述べた。

 そうであるなら、まずは双方とも挑発的な言動を自制すべきだ。

 トランプ氏はイランの司令官を「怪物だった」と表現した。だが、司令官殺害には米国内でも判断が正しかったか疑問が出ている。

 イランやイラクでの反米感情は高まっており、衝動的な言動が不測の事態を招くことも否定できない。米国は過剰な反応を避けるべきだ。

 イランは司令官殺害と「同程度」の報復という。だが、集中的なミサイル攻撃は大規模な殺害につながりかねず、事態を悪化させるだけだ。

 国際社会も緊張緩和を促す必要がある。国連安全保障理事会では司令官殺害をめぐり米国と中露が対立し声明を出せない状態にあるという。

 米軍による司令官殺害には欧州が理解を示し、中露は批判している。中東の権益争いで大国の分断が深まれば国際情勢も緊迫しかねない。

 英仏独や中露はイラン核合意の当事者だ。欧州3カ国は米国、中露はイランに対してこれ以上事態を悪化させないよう自制を求めるべきだ。

 安倍晋三首相は今月中旬に予定していた中東訪問の延期を検討している。情勢の悪化を踏まえたものだろう。イラクからは欧州諸国の駐留軍の一部が退避を始めるという。

 そうした情勢の変化にもかかわらず、政府は中東海域への海上自衛隊の派遣を予定通り実施する方針だ。派遣決定時の前提が変わった以上、再検討するのが当然ではないか。

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