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寝たきり70歳娘の要介護度は5 限界超えた88歳母「逆老老介護」心中の悲劇

寝たきりの娘の介護に不安を抱き、無理心中を図ったとみられる高齢の母親が倒れていた現場。事件翌日には花が手向けられていた=2019年12月17日午後2時47分、一宮俊介撮影

 2019年の師走、福岡市西区で共に高齢の母と娘が亡くなっているのが見つかった。状況から88歳の母親が寝たきり状態の70歳の娘を刃物で刺し、無理心中を図ったとみられる。高齢者向けの共同賃貸住宅で2人で暮らし「逆老老介護」生活を続けていた母親は、娘の体調の悪化や経済的な不安を周囲に訴えていたという。

 福岡県警西署などによると、12月16日朝、母娘が暮らす「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」に隣接する公園で母親が首などから血を流した状態で見つかり、近くには包丁と遺書があった。2人の部屋では娘も首を切られ死亡していた。

 娘は神経難病のパーキンソン病を患い、要介護度は最も重い「5」だった。母親が車椅子を押し、おむつ替えや着替えなどの身の回りの世話もしていたが、最近症状がさらに悪化し、食事も胃ろうになった。

 もっとも、母娘は完全に孤立していたわけではない。2人が暮らすサ高住は介護事業所を併設し、娘も介護サービスを利用していた。万が一の場合は看護師が24時間対応する。食堂もあり、母娘が2人並んで食事をする姿も見られていた。

 サ高住は全国的に急増しており、母娘が暮らす住宅も全59室が埋まっていた。ただ90歳目前の親が子を介護する母娘のようなケースはかなり異例だった。母親は介護の悩みに加え、経済的な不安も抱えていたようだ。

 2人の主な収入源は年金だったが、家賃に食費や介護支援費などを合わせると、2人で月額30万円程度は必要だ。他に医療費やおむつ代などもかかる。母親は事件の1カ月ほど前から、職員らに「このまま介護を続けていくにはどうしたらいいのか。お金も大丈夫かしら」と漏らすようになったという。娘の体調が悪化したのもこのころだった。

 事件は防げなかったのか。2人がサ高住に入居した経緯は不明だが、そもそも収…

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