メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

よみがえる田中正造

死の川に抗して/7 「現在を救いたまえ」の思い=中村紀雄 /群馬

 館林市の雲龍寺で、伊東方己住職に説明していただいた田中正造の墓と救現堂を見た。墓は本堂と渡良瀬川の堤の間にある。高い堤に遮られて流れは見えない。しかし、そのことがかえって私の想像力を刺激する。当時はこんな堤はなかったのだ。目を閉じると荒れた川と沿岸に集まった多くの住民の姿が浮かぶ。正造は墓の中で昔の光景を懐かしく思い起こしているかもしれない。伊東住職は、墓を修理する時、正造の骨の存在を確認したと言っていた。

 救現堂は墓と並んで建てられている。この堂は正造七回忌の時、正造の霊を慰め、またたたえるために館林市内の他の社から移築されたという。中をのぞくと住職が言った通り、正造の木彫りの像が置かれていた。救現堂という名称は正造の最後の言葉である「現在を救いたまえ」による。正造は死の床で「山河も滅びた。正造も滅びざるを得ない。現在を救いたまえ」と叫んだという。将来を見据えて全てを注いだ正造であった。「現在を救…

この記事は有料記事です。

残り826文字(全文1232文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「赤福」が暴力団代紋入り焼酎を製造 浜田会長が辞任 2000年から12年まで納品

  2. 検事長定年延長、揺れる法務・検察 「どう考えてもおかしいが、触れてはいけない雰囲気だ」

  3. 未明、児相が女児を門前払い 窓口職員「警察に相談を」 神戸

  4. 「中国・武漢で亜硫酸ガスが大量発生 1万4000人の遺体を焼却」という情報は本当か

  5. 東京マラソン 約7億円の参加料はなぜ返せないのか 新型肺炎で一般参加中止

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです