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社説

海自に中東派遣命令 情勢変化踏まえていない

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 昨年末の閣議決定後、中東情勢は大きく変化している。それを踏まえた再検討が必要なはずだ。

     河野太郎防衛相が海上自衛隊に護衛艦などの中東派遣を命令した。護衛艦1隻が2月下旬にオマーン湾などで情報収集活動を開始するほか、先行して海賊対処部隊のP3C哨戒機2機が海上監視を始める。

     そもそも、米国の主導する有志連合への参加は見送り、情報収集のみ協力する「お付き合い」で決めた派遣である。イランを刺激しないようホルムズ海峡から先のペルシャ湾は活動海域から外してある。

     しかし、年明け早々に米国がイラン司令官を殺害し情勢は一変した。ひとまず報復の連鎖は回避できたとしても、周辺海域の緊張は高まる。

     米国の同盟国である日本の自衛隊派遣が地域の反感を買い、日本の民間船舶や自衛隊が武装勢力の攻撃対象となる危険はないか。

     さらに情勢が悪化すれば、近くに自衛隊がいるのにどうして米軍を支援しないのだと、トランプ大統領から強く迫られる懸念もある。

     防衛省設置法の「調査・研究」を法的根拠とする「軽い任務」で済ませようとした情勢判断の前提が崩れていないかを点検すべきだ。

     しかも、なぜ自衛隊派遣が必要なのかについて、政府はこれまで国民に向けて丁寧に説明していない。

     国会承認が必要ない「調査・研究」で派遣すること自体、海外の紛争に巻き込まれる恐れのある重い政治判断と見合わない。国民の代表によるシビリアンコントロール(文民統制)として国会の議論が欠かせない。

     臨時国会の閉会後に閣議決定し、通常国会が始まる前に派遣命令を出した政府の姿勢は、国会を避けたと見られても仕方ない。

     護衛艦の出港は2月2日以降となる。今月20日に開会する国会で徹底的に議論し、派遣の見直しも含めた対応を検討する必要があろう。

     安倍晋三首相はきょうからサウジアラビアなど中東の親米3カ国を歴訪する。自衛隊派遣への理解を求める環境整備の色合いが濃く、オマーンからは護衛艦の港湾利用などへの協力を取り付けたい考えだ。

     イランとも友好関係にある日本ならではの外交努力にこの局面の自衛隊派遣が水を差すことを危ぶむ。

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