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社説

ウクライナ機「撃墜」 イランの究明責任は重大

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 イランで離陸直後のウクライナ旅客機が墜落したことについて、イランによる撃墜との疑いが浮上した。

     米軍によるイラン司令官殺害への報復としてイランがイラクの米軍駐留基地を攻撃した数時間後に起きた。乗員乗客176人全員が死亡した痛ましい大惨事である。

     多数の国民が搭乗していたカナダのトルドー首相が「イランの地対空ミサイルに撃墜されたことを示す証拠がある」と発表した。

     ウクライナも現場付近にミサイルの残骸を確認したとして撃墜を視野に入れて調査を始めた。

     イランは「撃墜はありえない」と否定するが、事実なら極めて重大な事態だ。真相究明にあたってイランの責任は重い。誠実に対応すべきだ。

     乗客乗員の多くはイラン人とカナダ人だった。他はウクライナ人やスウェーデン人などで、米国人はいなかったという。

     8日の墜落当初、イランのメディアは離陸後にジェットエンジンから火が出ており、技術的な問題が原因とみられると伝えていた。

     しかし、米メディアによると、2発の地対空ミサイルが発射されたことを米軍が探知した直後に旅客機が爆発したという。命中の瞬間とされる動画も公開している。

     原因調査には客観性と高い透明性が不可欠だ。イランは犠牲者を出した各国の専門家や国際民間航空機関(ICAO)の代表を受け入れ、現場の状況を保持し、あらゆる情報を提供すべきだ。

     イランは攻撃していた当時、米軍の反撃に備えて対空防衛システムを稼働させていたという。イランが誤って撃ち落とした可能性があるとトルドー氏は述べた。

     そうだとすれば、報復合戦を警戒する中での極度の緊張状態が不測の事態を招いたともいえる。そうした危険な状況を生み出した責任は、米国にもある。

     米国が反撃をせず一触即発の危険は沈静化したかにみえる。だが、イランでの反米感情は一段と強まり、米国も経済制裁を科すと表明するなど挑発を続けている。

     偶発的な衝突のリスクは消えていない。米国とイランはともに挑発を控え、外交的な解決に向けて事態の打開に取り組むのが急務だ。

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