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白井聡・評 『追いついた近代 消えた近代 戦後日本の自己像と教育』=苅谷剛彦・著

 (岩波書店・3630円)

大学入試改革の失態の根源

 大学入試改革をめぐる大失態はついに表に出た。「なぜこんな不条理が?」という困惑が広がっているが、教育業界の内側から見ると、起こるべくして起きたことだ。センター試験を改革して国語・数学に記述式問題を導入する根拠は、「思考力、判断力、表現力」を問う、というものだった。「知識偏重の詰め込みではダメで、考える力や表現する力が大事だ」といった俗耳に入りやすい理屈が「改革」を後押ししてきたのである。

 そもそも、数十万人が受験する、したがって一義的な正答を設定せざるを得ない試験で測定できる「思考力、判断力、表現力」とは、一体何なのか? 底なし沼の思想的混乱がない限り、今次の愚挙はあり得ないのである。本書は、この混乱をその根源に遡(さかのぼ)って解き明かす試みだ。

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