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社説

蔡台湾総統が再選 中国の姿勢転換が必要だ

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 台湾の蔡英文総統(民進党)が過去最多得票で再選を果たした。蔡氏は香港の大規模デモを背景に「民主と自由の価値観で困難を克服しよう」と訴え、支持を広げた。

 台湾や香港に強権姿勢で臨んできた中国への拒否反応が蔡氏の支持を押し上げたといえる。中国は台湾の民意を直視し、政策の見直しや対話を進めるべきだ。

 蔡氏は2018年の統一地方選での民進党の大敗で党主席辞任に追い込まれたが、1年余で支持を急速に回復した。中国の習近平国家主席が「1国2制度」の台湾モデルを検討する方針を打ち出したことがきっかけだった。

 香港で続いた大規模デモで「1国2制度」の機能不全があらわになり、「独裁と民主は共存できない」と主張した蔡氏の主張の正しさが裏付けられる形になった。

 有権者の関心も高まり、投票率は前回を9ポイント近く上回った。蔡氏の得票も前回から100万票以上増えた。無党派層も蔡氏支持に回ったといえる。

 中国は「一つの中国」の受け入れを拒否する蔡政権との対話を拒否し、台湾に対する外交、軍事、経済面での圧力を強めてきた。

 台湾と外交関係を持つ国は15カ国にまで減り、台湾を訪れる中国人観光客も減少した。中国との交流を重視する野党・国民党の政権復帰を側面支援する狙いもあったのだろうが、逆効果だった。

 立法院(国会)選挙でも与党・民進党が過半数を維持し、蔡氏は2期目も強力な政権基盤を得た。蔡氏も中国との関係の重要性は十分に理解しているだろう。対決姿勢だけでは台湾の安全や繁栄は保てない。

 問題は中国の出方だ。圧力を強化するなら台湾海峡の緊張が高まる。戦闘機売却を決めるなど蔡政権支持の姿勢を強めている米国との対立も深まるだろう。

 中国は台湾や香港の若者が自らの将来を懸念し、自由や民主の行方に強い関心を持っていることを真剣に受け止めるべきだ。せめて異論に耳を傾ける姿勢がなければ、中国への信頼は生まれまい。

 台湾海峡の安定は日本にとっても重要課題だ。中台の対話を後押ししていきたい。

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