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台湾総統選にみる「省籍」 世代移ろい薄れる対立=福岡静哉(台北支局)

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再選を決め、笑顔で演説する蔡英文総統(中央)。「中華民国台湾の成功によって全世界を感動させよう」と支持者らに呼びかけた=台北市の民進党本部前で11日夜、福岡静哉撮影
再選を決め、笑顔で演説する蔡英文総統(中央)。「中華民国台湾の成功によって全世界を感動させよう」と支持者らに呼びかけた=台北市の民進党本部前で11日夜、福岡静哉撮影

 日本で台湾の政治について語る時、「外省人」と「本省人」という「省籍」の違いが強調される傾向がある。だが実際は若い世代を中心に、省籍を意識しない人が増えている。民進党の蔡英文総統(63)が再選された総統選の取材を通じてそう強く感じた。

「中華民国派」と「台湾派」の融合

 「中国革命の父」と言われる孫文は清王朝を倒して1912年、「中華民国」を建国し、中国大陸を統治した。第二次世界大戦後の内戦で、孫文が結党し蔣介石が後を継いだ国民党は共産党に敗れ「中華民国」ごと台湾に逃れた。この時に台湾に来た100万人超の人々とその子孫が外省人だ。本省人は、主に17世紀以降に中国南部から移民してきた人々の子孫を指す。外省人は「中国人」意識が強く、国民党幹部や各界のエリート層を占めた。本省人は「自分は台湾人」と考える傾向が強い。国民党の独裁に反発し、民主化を目指した本省人らが86年に結成したのが民進党だ。省籍の違いは台湾社会に摩擦を生んできた。

 だが今回取材した大半の若者は「省籍を気にしたことはない」と言った。外省人が多い台北出身の大学院生、黄科智さん(24)は「友人の誰が外省系で、誰が本省系かも知らない。違いを気にするのは祖父母の世代」と話した。

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