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トランプ氏勝利へ暗躍した選挙コンサル会社元幹部が語る情報操作の危うさ 前編

ケンブリッジ・アナリティカの元幹部、ブリタニー・カイザーさん=本人提供

「資金さえあれば誰でもできる」「武器と同じくらい危険な技術」

 2020年は米大統領選の年だ。トランプ米大統領はソーシャルメディアを駆使して16年大統領選を制した。勝因の一つは、選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ(CA)」がフェイスブック(FB)などの利用者の個人情報を収集して展開した情報戦略だったとされる。CA幹部だったブリタニー・カイザーさん(32)は18年、民主主義を揺るがす情報戦略の実態を告発。ドキュメンタリー映画「グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル」に出演し、昨秋には「告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル」(ハーパーコリンズ・ジャパン)も出版した。毎日新聞の電話インタビューに応じたカイザーさんが語った世論操作の生々しい実態とは――。前後編に分けて掲載する。【聞き手・國枝すみれ/統合デジタル取材センター】

「おぞましい」政治資金団体の有権者抑圧

 ――CAのウェブサイトは「米国の有権者約2億3000万人について、5000種類のデジタル情報を持っている。この貴重な情報を使い、あなた(候補者)に合った有権者を選び出し、説得して投票させます」と堂々とうたっていました。トランプ陣営のために個人情報の収集から選挙広告の制作まで請け負っていたわけですが、カイザーさんにとって最もショックだったことは何ですか。

 ◆最悪の経験は、トランプ氏の勝利から1カ月後に開かれた社内説明会です。トランプ氏の選挙陣営やスーパーPAC(注1)と称される政治資金団体に関与したチームが2日間かけて、勝つために何をしたのか話してくれました。

 有権者の個人情報をどうやって集め、どのように分析し、それをどうトランプ氏の演説に生かし、どんなメッセージをオンラインで有権者に送ったのか――。そうした説明は、最初は面白かったのですが、そのうちおぞましくなりました。例えば、トランプ…

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國枝すみれ

1991年入社。英字新聞毎日デイリーニューズ編集部、西部本社福岡総局で警察担当記者、ロサンゼルス支局、メキシコ支局、ニューヨーク特派員を経て、2019年10月から統合デジタル取材センター。05年、長崎への原爆投下後に現地入りした米国人記者が書いたルポを60年ぶりに発見して報道し、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

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