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センター試験のため28泊…東京・小笠原の受験生 精神的負担大きく

竹芝桟橋に接岸する貨客船「おがさわら丸」。20日から検査などのためにドック入りし、運航再開は2月7日となる=東京都港区で2020年1月12日午後2時50分、大久保昂撮影

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 大学入試センター試験が18、19両日に実施される。現行の試験は今回が最後となり、来年度からは後継となる「大学入学共通テスト」に移行する。後継テストの柱の一つだった英語民間試験の活用は、へき地の受験生の大きな負担になる可能性が指摘され、延期に追い込まれた。ただ、こうした課題はセンター試験にもある。今年、都心まで海路で片道24時間かかる小笠原諸島(東京都小笠原村)の受験生は、定期船が運休するために1カ月近く島へ戻れない。【大久保昂】

 12日、港区の竹芝桟橋。小笠原諸島・父島から約1000キロの航海を終えて接岸した貨客船「おがさわら丸」から下りてくる乗客の中には、都立小笠原高校3年の生徒らの姿があった。

 6日後のセンター試験を受けるため、試験前の最後の便に乗って都心へとやって来た。生徒たちが自宅へ帰れるのは、早くても2月8日。センター試験直後の1月20日から、島へ渡る唯一の手段である同船が18日間運休するからだ。

 キャリーバッグを引いてきた同高の男子生徒(18)は、大阪府内で受験するという。本土で足止めとなる間に滞在する祖母宅の近くの会場を選んだ。竹芝から息つく暇もなく次の目的地へと向かう男子生徒に「大変だね」と声を掛けると、苦笑いを浮かべうなずいた。

 週に1往復ほど運航するおがさわら丸は例年、1月下旬~2月上旬に年1回の検査で約2週間ドック入りするため、センター試験で島外へ出ると、20日間以上帰れないケースがこれまでもあった。今年は船舶の排ガス規制の強化に合わせた改修が重なり、例年よりドック入りが長引き、島の受験生は船中泊も含めて28泊29日の「受験旅行」を強いられることになった。

 小笠原高校によると、受験生の多くは、本土の親族宅に身を寄せてきた。小笠原村は交通費や宿泊費を補助する制度を設けている。ただ、教員の一人は「家族や友達と長い間離れて受験するのは精神的負担が大きい。本土の受験生と同じ条件とは言えない」と話す。

 都や村、海運会社は来年以降、ドック入りの期間中は代替船を就航させる方向で調整しており、小笠原の受験生の長期外泊の問題は、センター試験が終わるのと同時に解消されそうだ。

 全国的には、離島に試験会場を用意して、受験生に配慮している地域もある。

 57校の公立高校のうち13校が離島にある長崎県。2009年1月のセンター試験から、離島にある五島、壱岐、上五島、対馬の県立高4校に会場が設けられた。

 きっかけは、進路指導を担当する教員や離島の高校長などから配慮を求める声が上がったことだ。県教委が、県内会場の取りまとめ役の長崎大と交渉し、実現にこぎつけたという。今年もこの4会場で、約350人が受験する見通しだ。

 新潟、島根、鹿児島、沖縄県なども離島に会場がある。一方、東京都や北海道など住民のいる離島を多く抱えながら、こうした会場が一つもないところもある。大学入試センターの広報担当者は「各大学と協議をして会場を決めているが、問題冊子の送付や解答用紙の返送、その際の漏えい対策などに課題があって会場を設けられない離島もある」と説明している。

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