トランプ氏勝利へ暗躍した選挙コンサル会社元幹部が語る情報操作の危うさ 後編

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自著「TARGETED」(邦訳は「告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル」)を持つケンブリッジ・アナリティカ元幹部、ブリタニー・カイザーさん=本人提供
自著「TARGETED」(邦訳は「告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル」)を持つケンブリッジ・アナリティカ元幹部、ブリタニー・カイザーさん=本人提供

 2016年の米大統領選で、フェイスブック(FB)などから集めた個人情報を利用した情報戦略を展開し、トランプ氏を支えた選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ(CA)」。元幹部のブリタニー・カイザーさん(32)へのインタビューの後編では、個人情報が世論操作に使われる現代で、どう情報を守っていけばいいのか聞いた。「私たちは16年の大統領選のときより、危険な時代に生きている」。カイザーさんはこう警告する。【聞き手・國枝すみれ/統合デジタル取材センター】

「16年の大統領選の時より、もっと危険な時代に」

 ――16年の大統領選当時と比べて現在は、情報操作に関して安全になったのでしょうか。

 ◆残念なことに、私たちは前回大統領選の時以上に守られていません。政治家の政治広告は真偽を問わず載せるというFBの方針は、私たちに脅威をもたらすでしょう。

 欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)など、個人情報保護を目的とした法律もだんだん整備されてきています。しかし、たとえ世界最高の法律があっても、現実の仕組みが伴わなければ機能しません。力のあるIT企業はプライバシー保護に後ろ向きで、今は個人情報をコピーすることすら危険だと思います。GDPRの狙いに反し、市民はより大きな危険にさらされています。

 一方で、よくなったことも少しはあります。16年当時、米国民はフェイクニュースに関して無知でした。手を加えられた映像や記事、ニュースに見せかけた広告を見分けるのは難しく、個人情報が(情報操作に)利用されることの危険性を理解していませんでした。今ではより多くの人が真偽に疑問を持っていますし、問題に気づけば報告するようになりました。

 ――CAは18年5月、破産手続き申請を発表し、業務を停止しました。しかし、あなたは「すぐに新たなCAが出現する」と警告しました。もう出現しているのでしょうか。

 ◆もちろんです。CAの戦略の多くは成功したから、多くの会社がその戦略を使おうとしています。あれから3年以上もたち、技術も大きく進化しています。私たちは16年の大統領選のときより、もっと危険な時代に生きています。

 ――トランプ氏は再選すると…

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