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余録

江戸時代の寛政7(1795)年に不思議な風邪が…

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 江戸時代の寛政7(1795)年に不思議な風邪がはやったという記録がある。3月上旬、将軍家斉(いえなり)が小金原(現・千葉県)で狩りを行った何日後かに流行が始まり、月末には武家の家来に感染者が目立った▲奇怪なのは、患者の衣に必ず鹿かイノシシの毛がついていたといわれたことだ。ために流行は「御猪狩風(おいかりかぜ)」と呼ばれることになる(富士川游(ふじかわゆう)著「日本疾病(しっぺい)史」)。当時の記録のことゆえ真偽は怪しいが、動物由来の感染症だったのか▲ちなみに江戸時代の風邪の流行には「お七風」「お駒風」などその当時話題の女性の名前や、「琉球風」「アメリカ風」など風邪がやって来たとみられる土地の名前がつけられた。「御猪狩風」は横綱谷風(たにかぜ)が死んだのでも有名である▲こちらは今のところ「武漢風」というところか。中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎に神奈川県在住の30代男性が感染していたことが確認された。男性は武漢から帰国後に入院したがすでに退院、症状は軽かった▲食材市場の動物からの感染が疑われる新型肺炎だが、男性は市場に行っていない。ただ世界保健機関(WHO)によれば人から人の感染はあるとしても密接な接触を伴う限定的なものとみられる。ここは冷静に受け止めるべきだろう▲おりしも25日の春節をはさむ中国の連休にはおびただしい数の観光客が来日する。世界のあらゆる土地から人の波が寄せては返す2020年、新型感染症対策もそれを前提にバージョンアップすべきだろう。

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