「なくしたもんの分だけ、次に生かしたい」母を亡くした桂あやめさん「KOBE117! 落語会」
毎日新聞
2020/1/17 22:36(最終更新 1/17 22:47)
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「いやあ、早いもんやなあ。あれから25年やて、お父さん。あの時、乳飲み子抱えて避難所行ったら、いろんな人が助けてくれてなあ。『あれも食べ。これも食べ』言われて……5キロ太った」。神戸新開地・喜楽館(神戸市兵庫区)で開かれた「KOBE117(いいな)!落語会」。地元出身の落語家・桂あやめさんが、震災で夫を亡くした女性を主人公にした一席をトリで演じると、会場に大きな笑い声が響いた。
あやめさんは震災で、母・入谷玲子さん(当時63歳)を失った。「前の晩に『来月カニ食べに行こな』て電話でしゃべっとって、(翌朝)もうおれへんなんて考えられへんかった」。最愛の母の死を悲しむ一方で、「いつまでも被災者と言われたくない。早く忘れて、そんなん昔のことやと言いたい」という気持ちがあり、自ら落語会などを企画することはなかった。
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