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クジラ消えるアラスカ

ジャンプを繰り返すザトウクジラ。餌の乏しい繁殖期をほぼ絶食して過ごすため、アアラスカでの接触が生息の鍵を握る=米国・アラスカ州フレデリック水道で2019年8月、写真家の松本紀生さん撮影

 濃緑の森に波打ち際まで覆われた無人島の数、約1000。その土壌に含まれる豊富な栄養素が雨によって海へと流れ、プランクトンが増殖した海にはオキアミやニシンが大発生する。そこへ現れるのがザトウクジラだ。

 全長3メートルのゴムボートを操りながらの撮影は今年で25年を迎える。直進する最中にクジラとぶつかりそうになったことは二度や三度ではない。それほどまでに、この極北の大海原は巨鯨たちであふれていた。

 異変が表れたのは2年前のこと。クジラが消えてしまったのだ。沿岸付近に10頭ほどのグループはいたものの、それまで沖を支配するかのように埋め尽くしていた100頭近いクジラたちが突然ゼロになってしまったのだ。

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