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記者たちの記憶・阪神大震災25年

阪神大震災が1月17日で発生から25年の節目を迎える。毎日新聞では記者が全国から集結、長期にわたり取材に当たった。東日本大震災が起きるまで、国内では戦後最大だった自然災害から四半世紀を経て、記者が当時を振り返る。

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記者たちの記憶・阪神大震災25年

みんな家族がいた

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激しい揺れで倒壊、1階部分が押し潰された建物が多くあった=神戸市東灘区本庄町で1995年2月1日、船津健一撮影
激しい揺れで倒壊、1階部分が押し潰された建物が多くあった=神戸市東灘区本庄町で1995年2月1日、船津健一撮影

 倒壊したアパートのがれきを必死にかき分けた。隙間(すきま)から父の顔が見えた。横に母もいる。「お父ちゃん!」。父は薄目を開けて、かすかに笑ったように見えたが、やがて動かなくなった。

 阪神大震災から4カ月後の春、両親を失った高校3年の少年にあの朝のことを聞いた。当時、毎日新聞社と毎日新聞大阪社会事業団は震災遺児を支援する「希望奨学金」を創設。連載で第1期の奨学生らを訪ね歩いた。

 神戸を離れ、近隣の兄宅に身を寄せていた少年は、がれきから掘り出したアルバムを見せて、震災前夜の一家だんらんの様子を語った。やがて「学校をサボって、親に心配ばかりかけた。親孝行したかった」と目に涙をあふれさせた。

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