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社説

伊方原発再び差し止め 安全審査への重い警告だ

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 司法の場で同じ原発に対して2度にわたって運転差し止めの決定が下された。重く受け止めなければならない。

 広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めを命じる仮処分決定を出した。

 今回の決定は、伊方原発沖の近くを通る断層「中央構造線」は活断層である可能性が否定できないとして、地元住民への具体的な危険があると認めた。

 活断層の有無に関する四電の調査に関しては不十分だと指摘した。その上で、政府の原子力規制委員会が安全審査にあたって「問題ない」と判断したことについても「過誤か欠落があった」と断じた。

 2017年12月に出された広島高裁の決定は、阿蘇山(熊本県)が噴火した場合、火砕流が敷地に達する可能性があるため立地として不適だと差し止めを命じた。その決定はその後、四電の異議で取り消されたが、今回の決定は、噴火の影響を四電が過小評価したと結論づけた。

 伊方原発3号機は現在、定期検査で停止中だ。4月27日からの営業運転を計画していたが、今回の決定は、山口地裁岩国支部で係争中の運転差し止め訴訟の判決が出るまで運転停止とした。

 もともと伊方原発は、他の原発に比べても、安全面で大きな問題を抱えている。東西約40キロ、最小幅約800メートルの細長い佐田岬半島の付け根に立地している。このため事故が発生すれば、半島の住民は逃げ道を塞がれかねず、避難できるかどうかが不安視されている。

 活断層の問題は今回争点になった伊方原発沖近くだけではない。沖合約6~8キロには国内最大級の活断層が走っている。今後30年の間には南海トラフ巨大地震が高い確率で発生すると想定されており、発生時の影響が懸念されている。

 それだけに、伊方原発を巡って四電だけでなく、規制委に対しても安全審査の厳格化を求めた高裁の姿勢は理解できる。規制委はこの決定を軽視してはならない。

 国内では6基の原発が稼働中で、12基が新規制基準の適合審査中だ。東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、原発の安全対策には万全を期す必要がある。

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