東京・築地に日本初の工場が誕生し、靴産業が始まってから今年3月で150年となる。日本人の足に合う軍用靴を作る目的で始まり、紆余(うよ)曲折しながら発展してきた。節目の時を前に、ゆかりの地や生産現場を訪ねた。
工場に足を踏み入れると、棚いっぱいに靴型が並んでいた。現存する国内最古の洋靴メーカー「大塚製靴」(東京都大田区)の東京工場。同社人事総務課長の高木修さんは「靴型は知恵と知識が蓄積されている。私たちの財産です」と語る。
高級靴の代表で、堅固なグッドイヤーウエルト式の靴は、原料となる牛革1頭分から3足程度しか作れない。均一できれいなお尻の革を爪先に、シワがある部分はのりしろに充てるように裁断するのが腕の見せどころという。「靴は履いている人を表す鏡。日本人に合う靴を日本で作り、売ることにこだわってきた」と高木さん。
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