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阪神大震災25年

高度成長を遂げた大都市をマグニチュード7・3の地震が襲い、6434人が死亡、二十数万棟の家屋が全半壊した阪神大震災が、2020年1月17日で発生から25年を迎えた。

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阪神大震災25年

きざむ息子の息吹

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「追悼の碑」の除幕式で、献花をする船越明美さん=兵庫県宝塚市で17日午後0時35分、猪飼健史撮影
「追悼の碑」の除幕式で、献花をする船越明美さん=兵庫県宝塚市で17日午後0時35分、猪飼健史撮影

 あの日から四半世紀を迎えた。犠牲者の名が新たに刻まれた碑。歳月の長さを感じさせるかのような、亡くなった息子の背丈を超えた樹木。悲しみも笑いに転じる語り。残された人たちが、それぞれの形で「生きた証し」を確かめ合い、明日に向けて歩み始めた。

棋士の夢紡いだ地に 宝塚で追悼の碑除幕式

 「生きていた証しができたね」。17日に兵庫県宝塚市であった「追悼の碑」の除幕式。船越明美さん(72)=福岡県太宰府市=は阪神大震災の犠牲者が刻まれた真新しい碑に次男隆文さん(当時17歳)の名前を見つけ、いとおしそうになでた。将棋のプロ棋士になるという息子の夢は25年前のあの日、突然断ち切られた。せめて、この地で一生懸命生きていたことを覚えておいてほしいと願う。

 隆文さんが将棋を始めたのは小学3年。たちまち上達し、プロを目指すようになった。森信雄七段(67)=宝塚市=に弟子入りし、中学3年でプロ棋士を養成する奨励会の試験に合格。大阪府内の通信制高校に転入した1994年春、森さんの自宅近くの木造アパートで1人暮らしを始めた。

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