「制度あるのに…」原爆症認定、在外者に壁 ソウルの女性、広島市役所で申請
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韓国・ソウル在住の被爆者、黄芳子(ファン・バンジャ)さん(75)が17日、広島市役所を訪れ、原爆症と認めるよう求める申請書類を提出した。在外被爆者が来日しなくても申請できるようになってから10年たつが、韓国側の医師の協力が得られず、必要な診断書を書いてもらえなかったためだ。「韓国では原爆被害があまり知られていない。制度は整えられているのに、なぜ……」と、いまだに救済が進まない在韓被爆者の状況を訴えた。
被爆者健康手帳所持者のうち、原爆の放射線由来の病気を患い、治療が必要な状態である被爆者に、国は医療特別手当(月額約14万円)を支給している。これまで、手帳の取得後にしか手当の申請はできなかったが、2019年4月からは手帳と特別手当の同時申請が可能となり、手当も手帳申請時にさかのぼって受給できるようになった。
さらに在外被爆者については、被爆者援護法が改正された10年4月から、在外公館での申請が可能になっている。
韓国医師に診断書作成断られ
生後8カ月だった黄さんは、爆心地から西1・2キロの上天満町(現・西区)で被爆し、家の下敷きになった。母に抱きかかえられて脱出したが、やけどした小指の皮膚が癒着し、今も曲がったままだ。04年から手帳の申請を続けたが、市や県に「原爆投下時、市内にいた証拠がない」などとして、4回却下された。その後、被爆当時近所に住んでいたいとこ(19年6月に死去)が見つかり、19年10月、この証言が採用されてようやく手帳が交付された。
17年に大腸がんの手術を受けていた黄さんは、手帳の取得前に原爆症の認定も求めていた。だが、地元の医師は「全て除去し、再発の恐れは無い」などとして、診断書を書くのを拒んだ。
韓国での申請を諦めた黄さんは、「韓国の原爆…
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