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村上陽一郎・評 『研究不正と歪んだ科学』=榎木英介・編著

 ◆『研究不正と歪(ゆが)んだ科学』

 (日本評論社・2530円)

日本の研究現場の問題剔出、対策探る

 STAP細胞データ捏造(ねつぞう)。一般の反応としては、何となくふっきれない思いのまま、記憶の彼方(かなた)に押しやられがちな事件かもしれない。しかし、かなり早い時期に出版された科学ジャーナリストの見事な報告、須田桃子著『捏造の科学者』(文藝春秋)などもあり、さらに、研究者コミュニティの間では、本来とっくの昔に決着はついていて、今さら蒸し返すのも無意味とさえ思われる状況にある。

 しかし、研究の現状は、あの事件をO氏の特殊事例で終わらせない。例えば、メディアの扱いはO氏の不祥事とは雲泥の差があったが、弘前大学医学部の元教授S氏に関わる大きな論文不正は、あの『サイエンス』誌が「史上最悪の不正」と断定したもので、単に論文不正に留(とど)まらず、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に関する現場の治療指針をさえ揺るがす悪質なものであった。この事件も当事者の不幸を招いたが、その他にも、東…

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