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朝から数独

SUDOKU 1000回突破/下 多様なレベル、気軽に解ける初級の需要増

数独制作にあたる安福さん(左)と礒部さん(中央手前)=東京都中央区のニコリで2019年12月25日午後3時11分、田中泰義撮影

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 毎日新聞に掲載されている「朝から数独」は、22日で1000回となる。読者から「難問に挑みたい」という声は多く、数独ファンの私も通勤中に「うーん」とうなりながら解くのが日課だ。一方、高齢化を背景に、気軽に楽しめる初級レベルへの需要も高まっている。【田中泰義】

「数字遊びの達人」

 新聞に難易度の高い問題が掲載されると、制作しているニコリ(東京都中央区)の社員は、解き方を尋ねる電話対応に追われる。同時に「どう作ったのか」との問い合わせも多く寄せられる。

 問題制作への関心は海外でも高い。2019年12月にマレーシアで約260人が参加した「数独早解き大会」では、ニコリ副社長の安福良直さん(52)が講演。会場の求めに応じ即席で問題を作ると大きな拍手が湧いた。

 数独は縦横9列の正方形のマスに、同じ列や縦横3列のブロックで重複させないよう0~9の数字を入れていくパズルだ。安福さんは「まずヒントになる数字を置く場所を決める。ニコリでは見た目の美しさにこだわり、真ん中のマスを中心に対称形にヒント数を置く」と説明した。

 安福さんは数字遊びの達人だ。計算式の空欄を矛盾がないよう数字で埋めていくパズルを「虫食い算」と呼ぶが、空欄が延々2万410桁に及ぶ巨大な割り算を完成させ「世界最大の虫食い算」(文春新書)という著書を出したほど。数独作りは1990年のニコリ入社から本格的に始め、年2回発行する「数独通信」の初代編集長を務めた。

①上級

 制作した約7000題の中で、自信作は入社前の大学4年時に作った問題=図①。難易度は上級で、ヒント数が1から8まで固まって並んでいる配置も美しい。これは「作家」と呼ばれる社員以外の制作による秀逸作品集「ペンシルパズル本9数独2」の巻末(99問目)を飾った。「全国にいる作家のアンカーを務めた気分になった。その感激が忘れられない」という。

②初級

 2月から数独通信の編集長に就く礒部将大さん(30)は、小学5年で数独を始めた。学生時代にニコリでアルバイトし、16年に正社員に。自信作は高校3年時に作った問題=図②=で「数独通信07年冬号」に紹介されている。一般的にヒント数は少ないほど難易度は高くなりがちだが、この問題は21個と少なめなのに初級者向けだ。「これからも多様な問題を作りたい」と意気込む。

震災で意識に変化

 数独の「良問」とは何だろう? 一つの考えは、解く歯ごたえがある問題だ。マス目が「16×16」「25×25」という拡大版も登場しており、埋める数字も増えるため難易度はぐっと上がる。

 しかし、ニコリでは「難問=良問」と捉えない。きっかけの一つは、東日本大震災だったという。

 被災地の岩手県大槌町では、仮設住宅に暮らす高齢者の間で数独が流行した。だが、市販本は難しすぎた。そこで復興支援のNPO法人「ソーシャルハーツ」の川上誠代表(65)が16年、日本数独協会に「気楽に解けるやさしい問題集を」と持ち掛けた。

 翌年1月、同協会名誉代表でニコリ社長の鍜治真起(かじまき)さん(68)が現地を訪れ、被災者と交流。極めつきの易しい問題にも需要があると実感し「じぃじとばぁば ようこそ数独!」を出版した。価格も税抜き500円と手ごろに。「大槌発の本が実現し、住民の大きな励みになった」と川上代表は振り返る。

①の答え
②の答え

 ニコリは3月に「4×4」も入った小学生向けの本を出す予定だ。誕生から36年。安福さんは「最近は『認知症予防になります』という手紙が増えた。子どもや高齢者が紙と鉛筆で楽しめるパズルの力を感じる」と話す。

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