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岡崎 武志・評『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』『渡辺えりの人生相談』ほか

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今週の新刊

◆『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』池澤夏樹・著(作品社/税別3200円)

『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』とは奇抜なタイトルだが、池澤夏樹の書評集。『週刊文春』の連載「私の読書日記」16年分がまとまった。700ページ超の大冊で444冊を紹介している。

 連載1回で大体は3冊。純文学からルポルタージュ、詩歌集、エッセー、絵本、自然科学と守備範囲が広い。頭の中に池澤夏樹図書館ができるほど。イラク戦争や自然破壊など、社会情勢にもつねに目を向け発言している。

 目配りが広く、読みが深いのには驚かされる。ある回では、アンリ・トロワイヤ『石、紙、鋏』を「小説というのは何でも盛り込める器」と紹介し、辻原登『ジャスミン』を「恋は邪魔が入るから小説」になるのだと、創作作法の要諦を明かす。これは著者が小説の実作者である強みであろう。

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