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川崎市の公的施設に「ヘイト年賀状」 視察した超党派議員「全力で事態打開を」

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「川崎市ふれあい館」に送りつけられた在日コリアン虐殺を宣言した年賀はがきを巡り、被害調査のために同館を訪れた「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」のメンバー(奥)=川崎市川崎区で2020年1月22日、後藤由耶撮影

 在日コリアンの集住地域、川崎市川崎区桜本にある公的施設「市ふれあい館」に在日コリアンの虐殺を宣言する年賀はがきが届いた事件で、超党派の国会議員で作る「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」のメンバー7人が22日、被害調査のため同館を視察した。同館の職員らから聞き取りをした白真勲参院議員(立憲民主党)は「ヘイトスピーチ対策法はできたが不十分な部分がある。今回の被害を踏まえ、何ができるか検討し改正案を出せるよう頑張りたい」と話した。

 年賀はがきは年始最初の開館日の4日、同館の職員が届いていることに気づいた。「謹賀新年 在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら、残酷に殺して行こう」と書かれていた。筆跡を隠すためか定規を使ったような直線で構成された文字だった。

 同館は市が多文化共生のまちづくりを目指して、日本人と外国ルーツの住民とが交流できる施設として1988年に開館し、地域の在日1世の識字教室や子どもの居場所作りなどを担ってきた。

 視察では、同館の職員が、年賀はがきが見つかった1月4日から21日までの利用者が前年に比べ843人少ない2315人で、利用者数が激減していることを説明。複数の子どもたちから不安を訴える相談があり、「私たちは殺されてしまうのか」と不安を職員に伝えてきた小学生もいたという。同館を運営する社会福祉法人「青丘社」の三浦知人事務局長は地域の住民に大きな衝撃が広がっているとし、「これは犯罪予告。この2週間、館の職員は大変な緊張をしている。利用者に寄り添いながら安心安全な態勢を研究している」と語った。また、同法人から被害届を警察に提出する準備をしていることも明らかにした。有田芳生参院議員(立憲民主党)は「桜本、ふれあい館、川崎が差別攻撃の対象になっている。津久井やまゆり園での悲惨な事件のように、ただ言葉だけの攻撃にとどまらない可能性のある非常に深刻な時代。全力を尽くし、この事態を打開したい」と話した。

「川崎市ふれあい館」に送りつけられた在日コリアン虐殺を宣言した年賀はがきを巡り、国や市に対策を求めるネット署名「change.org」のホームページ。弁護士らで作る「外国人人権法連絡会」が呼びかけた

 同館を所管する市こども未来局青少年支援室の柿森篤実担当課長(施設指導・調整)は取材に、「(今回の年賀はがきは)爆破予告と同じで届いたことは遺憾。警察と連携し安全確保をしていきたい」とした。

 視察を前に取材に応じた同館のある桜本1丁目の山口良春町内会長(80)は「いままで在日コリアンと日本人が仲良くやってきたが、こうしたことで分断されるのはまずいと思う。津久井やまゆり園の事件もあり、(予告された加害が起きないように)未然に防がないといけない」と訴えた。

 この事件を巡っては人種差別撤廃を目指し学者や弁護士らで作る「外国人人権法連絡会」が国と市に対して対策を求めるネット署名を21日、サイト「change.org」で始めた。声明では、「在日コリアン市民に対して虐殺を宣言して冷水を浴びせ、恐怖と孤立感、絶望の淵に叩き落とし、地域の分断、差別と暴力を煽動する極めて卑劣な行為です。これはヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、絶対に許してはなりません」と非難。国と市にヘイトスピーチ・ヘイトクライムを決して許さないとの非難声明を出すこと、市にはさらに、入り口に警備員を配置するなどの具体的な安全対策、警察には犯人逮捕に全力を挙げることを求めている。22日午後5時現在で約4800人の賛同が寄せられている。【後藤由耶】

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