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社説

トランプ氏の弾劾裁判 政争よりも真相の究明を

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 トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判が上院で始まった。審理は初日から未明に及んだ。

 多数派を占める与党・共和党は審理を短期間で打ち切ろうと冒頭陳述や質疑の時間を厳しく制限する議事進行案を提案した。

 徹底的な審理で政権を追い込みたい野党・民主党は疑惑関連の文書提出や高官招致を次々に求めて対抗した。しかし、共和党はすべて拒否し、怒号が飛び交う場面もあった。

 激しい政争の場と化したことに懸念を抱く。問われているのは、トランプ氏が大統領選を有利に運ぼうと民主党候補の疑惑調査を外国政府に求めたかという重大な問題である。

 弾劾裁判は、100人の上院議員が権力乱用と議会妨害で訴追されたトランプ氏を裁く。連邦最高裁長官が裁判長となり進行役を務める。

 ただし、議事運営の方法は共和党が立案し、文書提出や証人招致は採決で決める。政権に不利な文書や証人は共和党が阻止できる構図だ。

 今後の裁判では、トランプ氏がウクライナへの軍事支援をいったん停止し、その再開を取引材料にしようとした問題が争点になろう。

 米政府監査院は、軍事支援の停止は連邦法違反と指摘する。議会が承認した特定の予算を大統領の判断で変更するのは認められないからだ。

 民主党はボルトン前大統領補佐官の証人招致を求めている。ボルトン氏はトランプ氏のウクライナ外交に批判的だったといわれる。

 政権は政府当局者の証言を阻み、文書の提出を拒んできた。その態度を変えないなら事実を隠そうとしていると思われても仕方あるまい。

 ことしの米国政治は11月の大統領選と連邦議会選に有利か不利かの損得勘定で動くだろう。与野党の攻防が激化するのも避けられない。

 だからといってトランプ氏の身勝手な外交で世界が振り回される状況を放置していいわけがない。イラン司令官の衝動的な殺害がいい例だ。

 弾劾訴追を決めた下院では複数の政府当局者がトランプ外交の危うさを証言した。共和党内にも指導部の采配に批判的な声があるという。

 真相究明を置き去りにしてはならない。「まったくのでっち上げだ」と無実を主張するなら、トランプ氏は裁判に真剣に向き合うべきだ。

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