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安倍晋三首相主催の「桜を見る会」と、その前日に開かれた安倍首相後援会主催の「前夜祭」には安倍首相の後援者らが多数参加していた。山口県下関市にある首相の地元事務所は、この二つをセットにしたツアーを組んで参加者を募っており、前夜祭の参加者は2017年の下関市長選を境に急増したとみられることが、これまでの取材で分かっている。その背景に地元での自民党内の激しい政争がある。首相の地元を取材した2回シリーズの後編では、政争の構図をひもとく。【大場伸也/統合デジタル取材センター、佐藤緑平/下関支局】
「異論があっても関係ない」
前編でも触れたように、安倍首相は衆院山口4区(下関市、長門市)の選出である。一方、林芳正・元農相(参院議員)は県全域が選挙区の山口選挙区の選出だが、やはり下関市を地盤としてきた。2人は衆参ですみ分けてきたため、下関市の自民党支持者には両方の後援会に入っている人も多く、一定の共存関係が保たれてきた。
ところが17年の下関市長選で事態は一変する。林派の現職市長だった中尾友昭氏を首相の元秘書の前田晋太郎氏が小差で破ったこの選挙は「安倍・林の代理戦争」と呼ばれるほど激しい選挙戦となった。
「安倍派には『勝ったもんが好きにするんは当たり前や』という強権的な考え方がある。異論があっても関係ないんです」と、林氏の支援者の一人はため息をつく。
前田市長は19年11月18日の記者会見で記者に桜を見る会に対する見解を問われ、こう答えた。「応援した代議士がトップを取り、招待状が届いて、今まで応援してきてよかったなって、いいじゃないですか」
安倍派市長の「トップダウン」
下関市立大では前田市長の「トップダウン」が教授たちとの摩擦を招いている。市長が19年5月30日に市長応接室で、市立大の山村重彰理事長らに特定の研究者の名前を挙げ「ぜひ会ってほしい。下関の何か役に立ってくれる方にな…
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