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活性酸素少ない細胞からヒトiPS細胞作製で、DNA損傷抑えられる 日・カナダの研究チーム発表

赤血球のもとになる赤芽球を多く含むさい帯血から作製したヒトiPS細胞。右下の線の長さは100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)=放射線医学総合研究所提供

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 活性酸素が少ない細胞からヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製すると、従来よりDNAの損傷を抑えられることを、放射線医学総合研究所(千葉市)など日・カナダの研究チームが英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズで発表した。損傷が生じる原因の一端を解明したとも報告。iPS細胞を使う再生医療の安全性向上につながる成果として注目される。

 iPS細胞は、体細胞に複数の遺伝子を導入して「初期化」し作製する。初期化の際に、遺伝情報を担うDNAの300~1000カ所で変異が生じることが分かっている。

 研究所の荒木良子グループリーダー(幹細胞学)らは、初期化の際にDNAに生じる多数の変異のパターンから、活性酸素の発生による「酸化ストレス」が変異の原因と推定。赤血球のもとになる細胞で、活性酸素の少ない「赤芽球」を増やしたさい帯血からiPS細胞を作製した。DNAを解析すると、変異が従来の5分の1~10分の1程度だった。

 一方、チームは、初期化でiPS細胞に変異が生じるメカニズムを解明するため、細胞が本来持つDNAの自己修復や、損傷がひどい細胞を死なせる「アポトーシス」という仕組みに注目。複数の実験により、初期化の過程ではこれらの仕組みが一時的に働かなくなるため、DNAの損傷がひどくても細胞が死なず、変異の修復もされない細胞が残っていくと結論づけた。

 荒木さんは「赤芽球から作製するとなぜ変異が少なくなるのかをさらに詳しく調べ、安全なiPS細胞の作製につなげたい」と話している。【須田桃子】

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