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人生は夕方から楽しくなる

翻訳家・岸本佐知子さん 奇想収めた随筆集、海外小説へ懸け橋に

「読者が、翻訳だったことを忘れて『ああ面白かった』と言ってくれるのが理想」=東京都世田谷区で2019年11月22日、丸山博撮影

 台所のスパイスの香りから異国の少年に思いをはせた一編。あるいは亡父の残した言葉をめぐる三つの思い出――。こう紹介すると、しみじみと情趣漂う随筆群を想像したくなるが、昨秋刊行されたエッセー集「ひみつのしつもん」(筑摩書房)は実のところ、著者の脳からあふれ出た52の奇想を収めた、黒い笑いの書である。本人も「エッセーと聞いて思い浮かぶような、『読むことで知識や教養が高まるステキなもの』では絶対にない」と真顔で断言するのだ。

 表題作は、インターネットでカード会社のサイトにログインする際の「本人確認の質問」の話。入力しようと振り返った幼い日のあれこれが次第に不穏な気配を帯び、ネット社会で誰もが経験するであろう場面が、短編SFの様相を呈していく。

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