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南海トラフ地震津波確率 和歌山、高知など5メートル以上「非常に高い」 初の推計発表

記者会見をする平田直・地震調査委員会委員長(左)と文部科学省の林豊地震調査管理官=東京都千代田区の文部科学省で2020年1月21日午後3時、信田真由美撮影

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 政府の地震調査委員会は24日、南海トラフ地震による津波が今後30年以内に起こる確率を推計した結果を発表した。大津波警報の発表基準に相当する3メートル以上の津波は、太平洋側の10都県71市区町村に及ぶ広範囲で26%以上の非常に高い確率で襲来すると予測。5メートル以上は、静岡、三重、高知など7都県29市町村で26%以上の確率で起こるとした。今回の想定で津波の高さが最も大きい10メートル以上は、静岡、三重、和歌山、高知などの6県21市区町で6~26%の確率だが、26%以上の市区町村はなかった。

 100~200年間で繰り返し発生しており起きる可能性が高い大地震を中心に想定した。政府が津波の被害想定を「確率」の形で示したのは初めて。調査委は今後、日本海溝・千島海溝周辺や日本海側の地震についても同様の手法で津波想定を行う予定。

 調査委によると、日本の太平洋沖に延びる海溝「南海トラフ」では、30年以内にマグニチュード(M)8~9の大地震が70~80%の確率で発生する恐れがある。政府の中央防災会議などは2012年、M9・1で最大級の「南海トラフ巨大地震」が起きた場合、津波は高知県黒潮町と土佐清水市で最大34メートルとなるほか、東海から四国の太平洋岸に20~30メートル級が来るとする被害想定を発表した。最悪のケースの死者数は最新のまとめで23万1000人に上るとしている。

 しかし今回は、このような最大級の地震は「最近2000年間で起きていないまれな現象で、確率が計算できない」として対象から外した。1361年以降に発生した宝永地震(1707年)などM8~9の地震の記録を基に、起こりやすさを考慮して評価した。

 その上で、30年以内に南海トラフ沿いで大地震が発生し、海岸の津波高が▽3メートル以上▽5メートル以上▽10メートル以上――になる確率を算出。それぞれの高さの津波が襲来する可能性について▽26%以上▽6%以上~26%未満▽6%未満――の3段階に分けて、津波が来る可能性が高い24都府県352市区町村について推計した。津波高は地形などの影響を受けるため、市区町村によっては区域で分けたり複数の確率を示したりした。

 調査委によると、26%は「100年に1回」、6%は「500年に1回」起きる確率に相当し、「26%以上は非常に高い。6%未満でも決して安全ではなく注意する必要がある」という。気象庁によると、津波高3メートルで木造家屋が流失し始め、5~6メートルで全壊の被害が急増するとされる。

 平田直(なおし)委員長(東京大教授)は「最大級でなくても大きな被害が出る津波が高い頻度で起きることを認知してほしい」と話している。【信田真由美】

ことば「南海トラフ地震」

 静岡県沖の駿河湾から宮崎県沖の日向灘まで延びる溝状の海底地形(トラフ)で起きる恐れがある地震。南海トラフ沿いでは、日本列島が乗っている陸側のプレート(岩板)の下に、海側のプレートが引きずり込まれており、蓄積したひずみが解放されると陸側のプレートが跳ね上がり大地震が起きる。

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