中国全土に新型肺炎広がる 春節祝賀行事を優先、省幹部の信頼失墜

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新型コロナウイルスによる肺炎への注意を呼びかける電光掲示板=関西国際空港で2020年1月24日午前11時50分、久保玲撮影
新型コロナウイルスによる肺炎への注意を呼びかける電光掲示板=関西国際空港で2020年1月24日午前11時50分、久保玲撮影

 中国人が盛大に祝う春節(旧正月)の大型連休が24日に始まった中国だが、全土に新型肺炎が広がる異常事態となった。感染防止のため北京の紫禁城(故宮博物院)や上海ディズニーランドが25日から閉園する一方で、祝賀行事を優先させた政府関係者が非難を浴びるなど、対応を巡る混乱が増している。国内2例目の感染が確認された日本でも対策に追われている。

 感染者が集中する湖北省武漢市では、医療現場から患者数の急増や医療資材の不足に悲鳴が上がる。そんな中、地元指導者が春節の祝賀行事に興じていたことが発覚し、行政に対する信頼が失墜している。

 中国メディアによると、湖北省トップの蔣超良(しょうちょうりょう)・共産党委書記やナンバー2の王暁東(おうぎょうとう)・省長ら省幹部が21日夜、武漢市の公会堂で、各界の代表と春節の祝賀ステージを楽しんだ。出演した歌舞団が公式アカウントでステージの様子を紹介し、「かぜや鼻詰まりなどの困難はあったが、病気を抱えながら美しい演技ができた」と出演者の声を伝えた。これにインターネットメディアが飛びつき、23日に全国に拡散した。

 ステージ前日の20日には…

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