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ぶんかのミカタ

4月に落慶、薬師寺東塔/下 古代人の贈り物、つなぐ責務=東京大准教授・海野聡

 薬師寺東塔。数ある古建築の中でも、私の心をつかんで離さない名建築の一つである。三重塔でありながら、各重に差し掛け屋根の裳階(もこし)が付き、計六つの屋根が連なる。その頂部には飛天の舞う水煙が優美に空高くそびえる。東塔は力強さと軽快さの相反する魅力を備えているのだ。

 その源は軒の出の大きい塔本体の屋根と小さな裳階が織りなすリズム。加えて裳階の縁と高欄は柱より外側に持ち出され、宙に浮かぶような軽妙な印象を与える。さらに塔本体の太い柱は裳階で見えず、鈍重さを打ち消している。

 さて、古建築にも健康診断や手術が必要である。屋根葺(ふ)き替えなどの軽微な修理もあるが、部材の一つ一つにバラしていく解体修理には長い時間がかかる。東塔も全解体修理で約10年、覆屋に隠れていたが、近年、雄大な姿を現しつつある。こうした丹念な文化財修理は未来への贈り物である。また、解体修理では建設工程や技術の痕跡が見つかることもあり、ここから工匠の息吹や苦悩を感じとれる。いわば、古代人との対話である…

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