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「真相はどうなっているんだ」 新型肺炎拡大の中国・武漢 ネットで院内感染情報飛び交う

中国・武漢市の病院で同僚の名前を防護服に書く医療関係者=24日、新華社AP

 新型コロナウイルスによる肺炎が深刻な中国湖北省武漢市で、衛生当局は患者を受け入れる専門病院の新設を急ぐ。ただ物資不足などから医療現場の対応が追いつかず、院内感染のリスクも高まっている。当局は感染地域の封鎖に加え、隔離病院建設の工期目標を6日以内とするなど、強硬手段を相次ぎ打ち出している。【北京・浦松丈二、河津啓介】

 武漢市の病院では殺到する受診者に対応が追いつかない。混乱する一方の医療現場を受け、複数の医師が自らの感染体験を公表し、警鐘を鳴らしている。ただ、当局は情報公開に消極的で、実態の把握を妨げる形になっている。

 院内感染の状況を示す医療従事者の感染者数は、武漢市が21日に15人、隣の黄岡市が5人と発表しただけだ。その後、全体の感染者が倍以上に増えても、他地域を含めて情報の更新はない。インターネット上では院内感染に関する情報が飛び交い、「真相はどうなっているんだ」との声が上がる。

 そうした中、少なくとも3人の医師が実名でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やメディアで体験を明かした。

 武漢同済医院の内科医、周寧氏は24日、自らのSNSに、21日から38度を超える発熱や悪寒が始まり、コンピューター断層撮影(CT)検査などで新型肺炎の疑いと判明したと投稿。数日前に診察した調理師が、新型肺炎の発生源と疑われる海鮮市場に出入りしていたという。周氏は軽症だったため、自宅と別に住居を借りて家族から自分を隔離し、飲み薬で対処して現在は病状が好転した。周氏は「患者が病院に殺到すれば(院内)感染リスクが高まる」と指摘。「医療資源が極端に不足している場合は、軽症者は自宅で隔離治療した方がいい」と提言した。

 武漢協和医院急診科の張勁農主任も24日付の地元紙「長江日報」に「極度の疲労と度重なる(患者との)接触」で感染し、自宅で周囲と隔離して回復した経験を紹介した。

 北京市の北京大第1医院呼吸器科の王広発主任は22日にSNSで、国の専門家チームとして武漢を調査した際に感染した経緯を説明。混雑した発熱外来で、ゴーグルをしなかったため感染した疑いが強いと、医療関係者に注意を呼びかけた。

 新型肺炎の対応を巡っては、習近平国家主席が20日に重要指示を出した後、警戒レベルが急に高まった。態勢が整わないまま、不安を覚えた人々が病院に殺到し、人員に加え、ベッドやマスク、防護服などの不足に直面している。湖北省当局は24日の記者会見で「少数の患者がパニック的に病院を受診している」と述べ、現場の混乱を認めた。市民は診察を受けたい一方で、院内感染のリスクにさらされるジレンマに直面している。

 中国で感染が急拡大する中、習近平指導部は思い切った対策を次々と打ち出している。

 新華社通信などによると、武漢市郊外では24日、ベッド1000床を備える専門病院の建設が始まった。2002年…

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