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社説

財政試算の悪化 甘い想定を改めるべきだ

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 このままでは深刻な借金財政から抜け出す時期が遠のくばかりだ。

 内閣府が発表した最新の財政試算では、健全化の指標としている基礎的財政収支の見通しが悪化した。

 増え続ける社会保障費など政策に使うお金を税収などで賄えているかを毎年度示すものだ。今は国と地方で15兆円強の赤字と借金頼みだ。

 黒字化は1100兆円超の借金残高を減らす一歩となる。政府は2025年度黒字化を目標にしている。

 だが、試算では25年度は3・6兆円の赤字と、わずか半年前の前回試算から1兆円超も赤字が膨らむ。黒字化するのが2年遅れの27年度というのは前回と同じだが、黒字額は赤字寸前にまで減る。

 政府は昨年10月に消費税を増税して、国民に新たな負担を求めた。にもかかわらず健全化が遅れるのなら、あまりに無責任である。

 内閣府は、最近の法人税収の伸び悩みが響いたと説明している。米中貿易戦争による海外経済の停滞で日本企業の収益が悪化したという。

 だが、根本的な問題は、税収を見積もる前提となる経済成長の想定が楽観的すぎることである。

 試算は成長率が名目3%超で推移すると見込んでいる。バブル崩壊後30年近くも達成していない水準だ。

 安倍晋三首相は高成長による税収増を前提に大型予算を組んできた。痛みを伴う歳出抑制を避けるためだ。今回の税収不足もそのつけだ。

 もともと首相は基礎的財政収支の20年度黒字化を目標にしていた。2年前に延期を決めたのも税収が当てにしたほど伸びなかったからだ。

 首相は今国会で25年度黒字化の目標に変わりはないと表明した。だが安易な成長頼みを続けていては、延期を繰り返すだけではないか。

 内閣府は今回、別の試算も示している。現実に近い成長率1%台を想定したものだ。この場合、25年度の赤字は8兆円強にも上る。黒字化には本格的な歳出抑制が欠かせないことを明確に示している。

 22年には団塊の世代が75歳以上になり始め、社会保障費がさらに膨らむ。首相は社会保障改革に着手はしたが、超高齢社会を乗り切るには、踏み込んだ負担と給付の見直しが急務だ。それにはまず財政の甘い想定を抜本的に改める必要がある。

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