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持田叙子・評 『精選 折口信夫 全六巻』=折口信夫・著、岡野弘彦・編

 (慶應義塾大学出版会・各3080円)

 思いのこもったスペシャルな編集である。折口信夫は日本近代を代表する魅惑的な詩人学者。燃える情熱の先生でもあった。生徒と全身でつきあった。いっしょに芝居を見て、おいしいものを食べて旅して、生きる喜びを分かち合うのが真の教育と信じた。

 編者の岡野氏はその薫陶をゆたかに浴びた人。学徒出陣から帰った二十代の日から九十五歳の今日まで、変わらず折口を思慕する。自身の弟子の長谷川政春氏と組み、ふくざつで深い折口学の生命をわかりやすく編み直し、未来の読者へつなげようとする。最強のタッグである。

 全六巻のアンソロジー。古代学から折口の詩歌小説までを選ぶ。目玉が三つある。一つは難しいことば全てにルビを振ったこと。折口は列島の北より南までよく旅した。よく歩いた。ときに遭難の危険をおかし、古代の旅びとに心をかよわせた。土地の伝説をあつめ、古い小さな神社や聖域を調べた。そして古代日本人のあつく信じたのが、遠く異郷から旅してやって来た神であることを看破した。

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